公開日 2022年10月20日
最終更新日 2022年10月20日
虫歯や歯周病など、歯と口にトラブルを抱えていると口腔内にとどまらず、全身にさまざまな悪影響がおよびます。療養生活をできるだけ元気に送るためには、歯と口の健康も非常に大切です。
とくに高齢者は誤嚥性肺炎などに注意しましょう
虫歯や歯周病が進んだり、口腔内が不衛生になることで、誤嚥性肺炎を招いたり、認知症を招きやすくなります。さらに歯周病が脳卒中や心臓病、糖尿病など、多くの生活習慣病の危険因子であることもわかっています。できるだけ元気に在宅での療養生活を続けていくためには、歯と口のケアが非常に重要であることをぜひ理解しておきましょう。
歯科医師、歯科衛生士が訪問して
口腔内を清潔に保つための治療や指導を行います!
口腔内の衛生管理は、高齢になるほど重要になることから、在宅医療ではかかりつけ医と連携しながら、歯科医が訪問して歯の治療や義歯(差し歯、ブリッジ、インプラント)や入れ歯の調整などを行います。また、歯科衛生士が歯石を除去したり、歯と口の正しい手入れの仕方などの指導をすることもあります。
これらを「口腔ケア」といいますが、食べ物をよくかんで飲み込む力を維持するほか、誤 嚥性肺炎や認知症など、さまざまな生活習慣病の予防に大切なことですので、ぜひしっかり口腔ケアを行うようにしましょう。
口腔ケア(口の中を清潔に)
口の中をきれいにしておくと、気分もさっぱりするし、誤嚥性肺炎などの病気の予防にもつながります。口臭を気にして人と話すことがなくなり、「口の寝たきり状態」になるのを防ぐこともできます。
患者さん本人ができる場合
- 毎食後、きちんと歯みがきをする
- 入れ歯の手入れをかかさない
- 舌についた汚れをとる(歯ブラシでも良いですが、舌清掃用ブラシもあります)
介護者がする場合
患者さんが自分でできない場合は、介護者がします。「起床後」「食後」「寝る前」が目安です。
- 口をゆすぐ
入れ歯の場合は、入れ歯を外してから行ってください。 - 汚れを拭きとる
水や塩水、薄めたうがい液をケア用のスポンジ(または割り箸や指に巻いたガーゼ)にしみこませ、歯を磨くときと同じ要領で、汚れを拭き取ります。拭き取るポイントは、「頬のあたり」「舌や舌の裏・後ろ」です。寝ながらでもケアは可能です。